名古屋市立城山中学校 修学旅行事前「震災学習会」に参加して

名古屋市千種区の城山中学校の3年生(約150名)に対し、平成22年6月1日~3日にかけて予定されている修学旅行に先立つ学習会を行いました。この修学旅行は、「阪神・淡路大震災」についての学習を主テーマに神戸や淡路島を訪れるもので、事前に震災時の状況を勉強しておきたいとの要請を受けて行ったものです。

生徒たちが何を勉強したいのか、何について聞きたいか、どんなことに興味を持っているのかなど、事前に担当の先生とメールのやりとりをする中に先生方の熱意を強く感じ、かなりのプレッシャーのなか独自性のある説明が出来るよう準備に努め、当日5月21日を迎えました。
中学校の周りは閑静な住宅地で狭隘な道路もなく、住宅も比較的ゆったりとしており、50年前の伊勢湾台風時もそんなに被災はしなかったという地域でした。
学習の内容は彼らが「人と防災未来センター」を訪れることから展示内容にダブらない範囲で震災時の様子を話しました。また、半日は街なかに残る震災モニュメントを巡ったり、異人館、南京街などを4~5名で自由に散策するとのことであったので、神戸の見どころ案内なども含めて話を進めました。
1時間目は震災後の街の様子や避難所、仮設住宅から復興住宅への入居までの市民の生活を話し、その中で被災者でもあった小中学生がボランテイア活動に参加してくれたこと、その行為が被災者に対して勇気と希望を与え、復旧・復興をがんばろうという気持ちを与えてくれたことなどを話しました。
2時間目は液状化がどのような地域で、どのようにして生ずるかの説明と実験を行いました。水と砂が吹き上がり、模型の家が傾き、マンホールに見立てたカメラのフィルムケースが飛び上がるのに驚きの声が上がっていました。
そのほか、住宅のみならず道路や鉄道、水道などをどのようにして耐震化しているかなど事例を示しながら、多少は理科にも興味を持っていただければと思う内容も含めて話しました。
最後に役所が自然災害に際して市民の皆さんを助ける「公助」には限界があり、「共助」と「自助」で持って「減災」に努めていただく大切さを、またボランテイア活動に興味を持ってほしいことをお願いして学習会を終わりました。
当日は質問がなく、どの程度理解してもらったか不安でありましたが、帰神後いただいた感想文には地震への対応について理解をいただいた内容となっており、神戸でより深く学んでいただきたいと感じました。
追記として6月1日には南京街で彼らと再会をし、一緒に写真をとるなど、楽しい神戸を味わってもらえたのではないかと思っています。写真は来神時震災モニュメントのメリケンパークを視察している様子です。

(文責 N.K)

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