奈良県王子町消防団防災研修に参加して

平成22年9月12日に奈良県王子町消防団防災研修に参加しました。王子町は、大和川沿いの低地をもつ町で、過去には台風による水害で甚大な被害を受けた経験もあり、水害対策が大きな課題であるとともに、中央構造線の金剛山地東縁―和泉山脈南縁断層が近くにあり、地震対応についても課題の町です。

研修は、第1部:ビデオ放映「全国消防団員意見発表会」、第2部:講話「消防団と自主防災組織のかかわり」、第3部:「クロスロード演習」の3部構成となっており、王子町消防団員全84名が参加しました。第2部では、王寺町に隣接する上牧町の自治会連絡会の方から、自治会による地震防災マニュアルの作成や子ども達が主体的に防災を学ぶための様々なしかけについてお話がありました。
クロスロード演習では、K-TECメンバー4名がファシリテーターとコメンテーターを担当しました。消防団員全員に対する研修に先立ち、7月末に団長や分団長などの幹部に対するクロスロードの指導者研修があり、その際団員に対する設問を自ら提案していただくことをお願いしておりました。
したがって今回のクロスロードの設問全6問のうち4問は王子町消防団員が考案したもので、例えば、「あなたは消防団員です。自宅が水害の被害にあいました。家族は片づけで大わらわ。しかし、消防団員出動要請がありました。あなたは消防団活動に行きますか?」のように、いずれも消防団活動の中で抱いた疑問やジレンマを感じさせる具体的で現実的な設問でした。
団員はクロスロードゲームの進め方にもすぐに慣れ、皆「我が事」と捉えて答えを出しあい、熱心に意見交換を行っていました。
そして、他のメンバーの発言やコメンテーターのコメントを通して、これからの活動のヒントを得たり、見方に一層の広がりや深まりがあったものと思います。
研修後には、消防団員や第2部の講師の方との意見交換会もあり、K-TECのメンバーにとって有意義な研修となりました。(文責Y.M)

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