10月14日~15日、海南市において、防災研修を行いました。
海南市は海に面した地域と山間部をあわせもつ面積約100km2、人口6万人余のまちで、南海地震への備えの津波対策と山間部における土砂災害対策の双方を求められています。K-TECから4名が出席し、市の全職員約600名に対し、2日間計4回に分けて阪神・淡路大震災当時の体験談を語りました。
事務局の市民防災課から、震災を体験した同じ自治体職員から生の声を聞くことで、災害を自らのことと捉え、防災意識が高まること事を目的とする企画と聞きました。
想定される被害や復興の基礎となるコミュニティなど神戸市とは異なる点が多いことが想像され、若干のとまどいもありましたが、震災直後に私たちが感じ、体験したジレンマや苦労について少しでも共感していただけるように努めました。
講演後には、震災当時、神戸市在住であった方から震災以降、医療機関の受け入れに変化はあったかなどの質問や、復旧に向けた膨大な作業についてのお尋ねもあり、関心の高さが窺われました。
後日いただいたアンケートでは、回答されたほぼ全員からテーマや内容について、「よかった」「参考になった」との回答をいただきました。印象に残った点として、「震災前の準備、心構えの重要性」「避難所生活の大変さ」「住民組織による復興への力」などが挙げられていました。そして全体について「失敗事例を含めた体験談がよかった」などの感想があり、目標とする震災の体験を伝え、減災につなげていくことが概ね達成できたのではないかと感じました。しかし一方、「参考にならなかった」と改善を求める声もあり、「もう少し救出や行動の具体例がほしかった」などのご意見もいただきました。
今後もテーマや内容を吟味した伝承方法の改善に向け、努めていく必要があることを感じました。(文責Y.M)