平成22年9月13日に、神戸市新規採用職員を対象とする「震災ロールプレイ研修」に、神戸防災技術者の会(K-TEC)のメンバー8名がチューター役として参加しました。
この研修は、新規採用職員の危機対応能力の向上を目的とするもので、阪神・淡路大震災の記憶をもたない世代が職員として採用され始めてから、職場での半年弱の実務経験後の再研修に採り入れられており、講師は教育委員会のTさんと産業振興局のMさんでした。
研修は、阪神・淡路大震災の体験を題材としており、災害発生時の対応を模擬的に経験できるよう、綿密な状況設定が行われています。受講者には、4つの区に設けられた区災害対策本部の職員や避難所関係者、報道関係者などの具体的な役割(役職)が与えられており、「発災直後の24時間」と「1週間後の24時間」の2つの状況設定において、数分おきに続々と届く情報をもとに、被災状況の把握、被災者の救援、避難所の運営、市対策本部等との連絡・調整などを、各々の役割にしたがい進めていきました。24時間そして1週間の経過後に記者会見もあり、報道記者役の受講者から発せられた厳しい質問に対し、区長役の受講者が精一杯の説明を行うなど、大災害時の混乱を凝縮した臨場感のある研修でした。
K-TECのメンバーは、採用直後の春の研修において震災時の様子や職員としての心構えなどを語り繋いでいますが、突然の役割設定のため認識や理解が十分でない受講者や処理が進まない班も見受けられました。しかし、K-TECのメンバーは、助言・指導などはせずに、ヒントを提供する範囲にとどめ、彼らに自主的に考えて行動させる役割に徹していました。
終了後、情報共有の進め方や役割分担の徹底、記者会見への対応などについてコメントを行いました。新規採用職員はもとより、参加したK-TECメンバーにとっても、震災当時を思いださせる刺激の多い研修でした。(文責Y.M)