第3回 「伝承活動をみんなで分かち合うための勉強会」が2020年9月29日(火)18時30分~20時30分、まちづくりセンター3階多目的室にて予定どおり開催された。
阪神・淡路大震災の被災直後の混乱の中、この未曾有の災害に対しどのような対応が行われたのかを知りたいいという意欲を持った会員が今回は14名参加して、貴重な記録を確認し合い、意見交換等を行った。
全体のテーマは「阪神・淡路大震災時の直後の状況」であるが、
1.被災直後の市民の動き 2.犠牲者 3.避難所の様子 4.被災者支援・救援
の4つのテーマに分けて、記録の報告があった。
各テーマの主な内容は、次のとおり
1.被災直後の市民の動き については、次の4項目
①建築物の被災状況 ②被災直後の市民の様子 ③火災防止への取組み
④被災直後の避難を助けた市民の様子
2.犠牲者 については、次の3項目
①死亡原因 ②児童・生徒等死亡者数と震災遺児 ③犠牲者の葬送
3.避難所の様子 については、次の10項目
①避難所と避難所数の推移 ②直後の避難所状況 ③課題や環境整備
④阪神・淡路大震災後の避難所改善 ⑤避難住民の推移 ⑥課題と環境改善
⑦兵庫県避難所緊急パトロール ⑧避難所での対応事例(トラブルなど)
⑨待機所の課題(中央区の事例) ⑩指定避難所外の解消
4.被災者支援・救援 については、次の2項目
①救援物資や義捐金 ②個人の備蓄
(感想その他)
以上のように、震災直後の被災市民に関わる話題を網羅する形で勉強できた。
特に、死亡原因の83%が建物の下敷きになった圧死・窒息死などであったという事実は、住宅の耐震補強の重要性を改めて感じるものであった。
また、犠牲者の葬送の大変さは、経験した者でないと忘れがちだが、実際に大災害が発生すれば直面する難しい項目である。
避難所の数、広さ、環境、備蓄品の問題は、コロナ禍にあってさらに難しい問題へと発展しており、古くて新しい課題であるが、様々な防災用の製品も開発され、どんどん変化・進化している分野でもある。
熊本地震の際にラスト・ワン・マイル問題としてクローズ・アップされた、救援物資の供給の問題についても、未曾有の大震災であった阪神・淡路大震災の際の混乱とそのような大変な仕事を何とかやり遂げた方々の努力を改めて知るとともに、今後の大災害に備えまだまだ準備不足な点、改善すべき点が多々残っているような印象も持った。