神戸防災技術者の会の創設時からのメンバーである中山久憲さんが,2011年度都市計画学会石川奨励賞を受賞しました.中山さんが,昨年発行した著作「神戸の震災復興事業-2段階都市計画とまちづくり提案」(学芸出版)の出版を評価して授与されたものです.(新聞記事)。
授賞理由は,同著作が「住民感情の変化を含めた住民参加及び行政との協働による復興事業の実態や、困難な状況の中でも将来を展望し決断していった行政の政策遂行の根拠などを、震災以前からの神戸市でのまちづくり背景もふまえてわかりやすくまとめた貴重な情報源であるとともに、非常時の策として採用された「2 段階都市計画」の地方分権社会における活用可能性の提案など示唆に富む内容である。東日本大震災の復旧・復興が本格化し、生活の基盤である町の再建が始まる中、まさに時宜を得た出版で、今後の震災復興等に関する都市計画の発展に寄与するもの」。(都市計画学会授賞一覧および理由)
であるとされています.
この授賞理由にある通り,本書は,阪神・淡路大震災の後,神戸市で行われてきた復興都市計画事業について,実例に基づく豊富な情報を提示しており,今後の東北の復興まちづくりにとっても大いに参考となるものと考えます.そして,阪神・淡路大震災の経験を後世に伝承していくという我が会のミッションをみごとに体現した本であるともいえるでしょう.中山さんのこれまでの研究の努力に敬意を表するとともに,この受賞を会員一同の喜びと励みとして,我々も,今後大いに精進を続けたいと思います.
(文責 T.O.)